笛吹川の名前の由来となった笛吹権三郎が眠る。

笛吹川の名前の由来となった笛吹権三郎が眠る。

長慶寺

無量山 長慶寺
春日居町小松の笛吹川に程近い場所にあります。
このお寺には笛吹川の名前の由来となった母親思いの孝行息子・笛吹権三郎の墓があり供養されています。
お寺の入り口付近に権三郎のお墓は立っていますので、笛吹市に訪れた際に、一度お参りしてみてはいかがでしょうか?

INFO基本情報

名称 長慶寺
(チョウケイジ)
住所 〒406-0004 山梨県笛吹市春日居町小松893 アクセス

MAP&ACCESSアクセス

笛吹権三郎にまつわる悲話

およそ600年ほど前、甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)を源流に子酉川(ねとりがわ)という川がこの地には流れていました。
山間部の上釜口村(現在の山梨市三富)に美しい笛の音を奏でる笛吹権三郎と呼ばれる大変な孝行息子が母と暮らしていました。


  ある年、大雨で子酉川は氾濫し大洪水を引き起こし、権三郎と母は家ともども流されてしまいました。
権三郎はなんとか自力で岸までたどり着き一命を取り留めました。しかし、母の姿はどこにも見当たらず行方がわからなくなってしまいました。

次の日、母をさがす権三郎は「母さんが好きだったこの笛を奏でれば、きっと僕の笛の音だと気づくに違いない」そう考え、
昼夜を問わず川を下ったり上ったり、笛を吹き来る日も来る日も必死に母をさがしました。
再び大雨となり子酉川は姿を変えました。この日も母をさがしていた権三郎でしたが、川の深みに足を取られ今度は流されてしまいました。
村人も心配になり権三郎をさがしましたが見つからず。

―その数日後、子酉川の下流域・小松村の淵で権三郎の姿はありました。
しかし、権三郎の息はすでに絶えておりました。
憐れんだ小松村の長慶寺開山・円誉上人により権三郎は手厚く葬られました。

 以来、母を想う権三郎にちなみ、子酉川は笛吹川と呼ばれるようになったそうです。