桑戸の地と民を見守る五大明王

桑戸の地と民を見守る五大明王

桑戸不動堂

春日居町桑戸、笛吹川に程近い桃畑に囲まれた山梨市との境に古いお堂がある。
平治の乱(1160)都から甲斐国桑戸村へと移り住んだ藤原朝臣・茂手木七郎兵衛信定は茂林庵(宝聚庵と合わさり、後に地蔵院となる)建てた、時同じくして詳細は定かとなってはいないが木造五大明王像が造られた。
戦国の大乱の中、地蔵院に安置されていた五大明王像は、桑戸を災害から守るべくして村の表鬼門(東北の方角)に当たる現在の場所へ移された。
享保3年(1719)に不動堂が建立された。
毎年1月28日、不動尊祭典が行われる。地区住民には『五躰尊(ごたいそん)』として厚く信仰されている。
地元有志『桑戸五躰尊の会』の活動の一環で環境整備され、秋になると曼珠沙華(彼岸花)が彩りを添える。

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INFO基本情報

名称 桑戸不動堂
(クワトフドウドウ)
住所 〒406-0003 山梨県笛吹市春日居町桑戸175-1 アクセス
文化財 ◎県指定文化財

木造五大明王像

◎市指定文化財
塑像不動明王坐像

MAP&ACCESSアクセス

木造五大明王像(山梨県指定文化財)
(もくぞうごだいみょうおうぞう)


五大明王像 五大明王とは、一般的に密教特有の尊格である明王のうち不動明王を中心に
四方を囲む明王のことをあらわします。
 
桑戸不動堂の五大明王は不動明王を中心に五体が一列に並んでいます。

不動明王(ふどうみょうおう)
・・・梵語名アチャラナータ(訳:「動かない」)。
大日如来の化身として、宗派を問わず日本の仏教において信仰されている。

降三世明王(こうざんぜみょうおう)
・・・東方を司る。
梵語名トライローキャヴィジャヤ、 「三千世界を支配したシヴァ神を倒したもの」
という意味を持つ。
四面八臂(四つの顔、八本腕を持ち、正面のみ三つ目。)その名の通り、足元に
はシヴァとその妃を踏みつけている。

軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)
・・・南方を司る。
梵語名クンダリン(訳:「とぐろをまく」)に由来し、体中に蛇が巻き付いている。
一面三目八臂(三つの眼、八本の腕を持つ。)、蓮の華の上に立つ。

大威徳明王(だいいとくみょうおう)
・・・西方を司る。
梵語名ヤマーンタカ、『死神ヤマ(閻魔)を倒すもの』という意味を持つ。
六面六臂六脚(六つの顔、六本の腕と六本の足を持つ。)水牛に跨っている。

金剛夜叉明王(こんごうやしゃみょうおう)
・・・北方を司る。
梵語名ヴァジュラヤクシュ、「様々な悪を金剛杵で打ち砕く夜叉」という意味。
三面六臂(三つの顔、六本の腕を持つ)、 中央の顔のみ五つ目。


平成20年(2008)から3年間、東京国立博物館に展示されていた際、
不動明王を中心とした四方を囲う配置が組まれていた。